腰痛の症状や原因とは?痛みを和らげる方法や予防方法を解説
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腰痛
腰痛とは?
日本整形外科学会の調査によると、日本で腰痛を抱えている方は約3,000万人と推計されており、日本人の約8割が生涯のうちに一度は腰痛を経験するといわれています。
腰痛とは、「触知可能な最下端の肋骨と殿溝の間の領域に認められる疼痛」であり、有症期間によって、急性腰痛(発症からの期間が4週未満)、亜急性腰痛(発症からの期間が4週以上3か月未満)、慢性腰痛(発症からの期間が3か月以上)に分類されます。
他覚的所見としては、椎間関節内への滑膜陥入や椎間板ヘルニア、周囲の筋や靭帯の損傷などの可能性が指摘されていますが、腰痛の約85%が原因の特定が難しい、「非特異的腰痛」であるとの報告がされています。
腰痛になってしまう主な原因と
メカニズム
腰痛を引き起こす病気には、椎間板ヘルニア、脊椎分離症、すべり症、腰部脊柱管狭窄症、圧迫骨折やがんによる背骨の病的骨折、感染症による背骨や椎間板の化膿などがありますが、日常生活で起きている腰痛は、これらの疾患が関与していない、「非特異的(原因の特定できない)腰痛」であることが多いといわれています。
つまり、ほとんどの腰痛は、整形外科的検査では原因の確認できない程度の筋肉・関節の軽微な損傷であり、バックグラウンドとしては、姿勢の悪さや身体の使い方のミス(MISS USE)、使い過ぎ(OVER USE)、さらには精神的ストレスなどによる筋肉の過度な緊張状態(=機能不全)があると考えられます。
腰痛の痛みと主な症状
腰痛の症状は病期や受傷機転によって異なります。
急性腰痛は運動や同一姿勢により痛みを訴える方が多く、ぎっくり腰のような強い症状では、「腰が抜けた、身動きが取れない、床を這ってしか移動できない」と訴える方もいます。
亜急性腰痛になると、痛みの強さは軽快していることが多いですが、なかなか引かない痛みもあります。
慢性腰痛は、ズキンズキンと鋭く強い痛みは稀ですが、治らないのではないかという不安な気持ちが脳内でマイナスに働き、重圧感(重だるい痛み)として長引かせてしまう例もあります。
自発痛(常に強い痛みを抱え、楽になる姿勢や動作がない)がある場合は、内科的な疾患が隠れている可能性もあります。
腰痛の対処法と注意点
ぎっくり腰のような急性腰痛で症状が強い場合、初期対応は無理に動かさないで安静にすることが大切です。
基本的には横になって身体を休めてください。
膝を軽く曲げて横向きで寝るのがおすすめです。
ぎっくり腰を発症すると、身体が緊張によって痛みを過剰に感じてしまうので、ご自身が「気持ちいい」と感じる側を選んで温めるかまたは冷やしてください。
リラックスすることで患部の機能が正常に働いて、スムーズな回復が期待できます。
痛みのレベルが下がってきた亜急性腰痛や慢性腰痛の場合は、身体を温めて血管を拡張させると楽になることが多いです。
経過を見ながら20~30分程度の有酸素運動や入浴をして、身体を芯から心地良く温めてください。
腰痛の施術法、即効性のある対処法
当院では、施術の観点から腰痛の病期を、
①炎症期
②炎症消失期
③瘢痕形成期
④回復期
に分類しています。
患部の施術方法は、病期やそのときの症状によって異なります。
炎症期はRICE処置、炎症消失期は安静と温熱、瘢痕形成期はリハビリ、回復期はトレーニングです。
全身の機能低下に対しては、いずれの病期であっても同じ方法で改善を促します。
患部以外については積極的に運動療法を行っていきます。
特に重要なポイントが体幹部のインナーマッスルです。
インナーマッスルがしっかり機能すると体幹が安定しますので、炎症期でもあまり痛みを感じることなく身体が動き、回復期にはより高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
整体が向いている腰痛
腰痛の原因は筋肉の微細損傷だけではなく、ヘルニアや狭窄症などの関節疾患、内科的疾患や循環器疾患などが考えられますから、痛みの強さに関わらず違和感があれば、早めに医療機関に相談してください。
何らかの疾患が疑われる状態には、自発痛(じっとしていても痛い、ラクな姿勢がない)の有無、腹圧痛(いきみ痛)の有無、発熱やしびれ、感覚異常がないかを確認してください。
これらの所見がなく、身体を動かした際に痛みやつっぱり感、ハリなどがあれば、整体で改善できる可能性が高いです。
特に運動不足の方、毎日同じ姿勢や動作を繰り返している方は、筋肉が固まって腰痛が起きている可能性があるので、整体が向いていると思います。
腰痛に関するQ&A
Q. 腰痛によく効くストレッチ方法は何ですか?
A. 緊張した筋肉をほぐすストレッチが有効的です。
筋肉の緊張が和らぎ、可動域が広がり、腰椎への負担を軽減できます。
「腸腰筋のストレッチ」や「脊柱起立筋のストレッチ」がおすすめです。
Q. 腰痛の原因は何ですか?
A. 腰痛の原因は様々ですが、最も一般的な原因としては、筋肉や靭帯の緊張、椎間板ヘルニア・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症などが考えられます。
まず、身体の状態を確認し、根本原因を見極め、症状改善を図りますので、ぜひ一度ご来院ください。
Q. 腰痛になったのですがお風呂は入れますか?
A. 38~40度のぬるめのお湯をいれ、みぞおちぐらいまで浸かるようにしましょう。
おすすめの入浴時間は、20~30分程度です。
Q. 腰痛の改善には腹筋を鍛えればいいと聞いたのですが、本当ですか?
A. 改善の効果は期待できます。
腹筋が低下することで、姿勢不良になり、腰痛の原因になりえることがあります。
腹筋を鍛えることで、正しい姿勢になり、脊柱や関節への負荷を均等に分散し、腰部の安定性を向上させることができます。
Q. ぎっくり腰を再発しないためにはどのようなことに気をつけて生活すればよいですか?
A. 「座り続ける時間を減らす」「お風呂で身体を温める」「普段から運動を行う」を意識して生活しましょう。
Q. 腰痛の施術を受けるときどのような服装で行けばよいですか?
A. 動きやすい服装でお越しいただければと思います。